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2010年09月26日

お空の写真・・・

正面の壁も・・・・  
 
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左右の壁も・・・
 
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床の上にも・・・
たくさんの本や資料や原稿が積み重なってます・・・

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わたしとおトしゃんの大の仲良しだった早坂おじさんが一生を懸けて研究した資料の山なのです。
これらの資料が遠くに行ってしまうのです・・・
もう二度とここには戻らないのです・・・

でも、この事は決して悲しい事ではないのです。

おじさんが研究していた『岩手の民衆史』や『三閉伊一揆』の膨大な原稿や資料は歴史的にみても大変貴重であるとの事で、岩手県田野畑村の資料館に『早坂文庫』として永久保存されることに決まったのです。

それで昨日、岩手県田野畑村教育委員会の方からご担当さんと、早坂さんの最大の理解者で、何年間も一緒に『岩手の民衆史』を発刊されていた、我が国屈指の古文書解読の大家であるT氏が貴重な資料を持ち帰るのに来られたのです。

これらは、40年以上前からおトしゃんは『耳たこ』が出来るほど早坂さんに聞かされた『三閉伊一揆』の資料なのです・・・
当時、何十万円もする本や資料なども二人で頑張って一緒に買い揃えたのです。
どの本も背表紙を見るだけて、記憶が甦ってくるのです。おトしゃんは歴史の勉強も苦手なのです。しかし、40年間もの付き合いの結果、おトしゃんの頭にも早坂さんの画いていた一揆の頭人達の姿は生きているのです・・・・

早坂さんは、こないだ死んでしまいました
そして、おじさんの精神に組み込まれていた膨大な資料は、一揆の頭人達の故郷に帰って行くのです。

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本や資料の荷造り発送を終えて空っぽの本棚を前に、おトしゃんは言いようのない悲しみに襲われました。
早坂さんとの思い出いっぱいの実体であった書籍も無くなってしまい、とうとう薄れ行く記憶のみになってしまったのです・・・


そして夕刻、突然、おトしゃんは『本』を買ってきました・・・・

写真家のアラーキーさんの22年間もの相方で今年3月にお亡くなりになったチロさんの『チロ愛死』と云う写真集なのです・・・NHKのニュースでチラッと見た画像が印象に残っていたのです・・・

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やせ細ったチロさんが必死で生きた最後の3ヶ月間の写真集です。

わたしには、チロさんのお気持ちがよぉぉ~~っく解ります・・・

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お互い、最後の数日前です・・・・
残った相方は、ギリギリで生きているもう一方の相方の写真を撮るしか、しようがないのです・・・・
少しでも記憶が消えないように・・・
 


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おトしゃんもアラーキーさんも・・・

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お花を飾って写真を撮るしか、しようがないのです・・・・
美しく飾ってやりたいのです・・・
 
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この写真集の後半は数十枚の『お空の写真』で一杯です。
 

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おトしゃんは、チロさんの居なくなった後に空の写真を撮り続けるアラーキーさんの気持ちがよぉぉ~~っく解る・・・と云ってました。

そして、マネをして何枚もの『お空の写真』を撮ってました・・・

空っぽになった本棚を見て、またおトしゃんの頭も空っぽになってきたのでしょうか?


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意味もなく、何枚も何枚も・・・
お空が何かを語りかけてくれるのでしょうか?

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翌日、資料発送の準備も無事に終了し、関係者皆んなでお食事です。
資料整理や展示等に一年以上かかるけれど、完成したら、おトしゃん達を資料館にご招待しますよぉ・・と教育委員会の方がおっしゃってくださいました。

それを聞いて、おトしゃんは・・・早坂さんの命だった資料や原稿が、故郷で大切にされて新しく生まれかわって生き続けるのだなぁ・・・と、納得してました。

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そうしていたら、なんと云う偶然なのでしょうか・・・・
今回の教育委員会の担当Aさんに『お嬢様がたった今、誕生された』との連絡があったのです♪♪♪

新しい命の誕生なのです♪
命が増えたのです♪

最近のおトしゃんの周りでは、生きる気力やらお金やらが減っていくと云う辛いお話ばかりでした・・・
AさんとAさんの奥様の快挙に皆んなで拍手をパチパチパチパチで祝福しました♪
しかも名前まで決めてあったのです♪(万歳万歳万歳)
 
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帰路、おトしゃんは、またお空の写真を撮ってました。
新しい命の誕生を祝ってなのでしょう、お空は限りなく澄み切った青空でした♪

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お家に帰った、諦めの悪いおトしゃんは、本を並べて、早坂さんもチョコもチロさんも、皆んな本の中で生きているよなぁ~~と、ブツブツ云ってました。

やはり、最近とみに老いぼれてきたのでしょうか???
 

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ぁぁ、わたしの本も、チロさんの本も『青空と白い雲』が・・・・
これは偶然なのでしょうか?否、必然なのではないでしょうか?

 
 
 


 
 
 
 

投稿者 choko : 23:22 | コメント (2)

2010年09月19日

天空に沼のある山で幸せのお昼寝♪

此処にはキラキラキラキラお空から光が降りそそいでます♪
水面も目の高さでキラキラ輝いてます♪。

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トンボさんがうれしそうに飛んでます♪
A秘境探検隊長は光に包まれたトンボさんの記念写真を撮ってます♪
 

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樹樹も、沼も、もうすぐやってくる秋を静かに待っているようです♪
 

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桃源郷のような沼のほとりに座りこんだおトしゃんは、一緒に山登の皆んなに、「辛い思いをして頂上まで行かないで、ここで焼肉をして帰りませんか?」と提案してました・・・が、皆さんはそのようなイイカゲンな考えはしません!
 


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やはり、正しい登山と云うのは頂上でひぇひぇビールを飲んでホカホカ焼肉(野菜入り)を頂いて元気になって帰ってくることなのです♪
 
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正しい秘境探検隊の面々は天空の秘境『空沼岳の空沼』調査に出かけました♪

なるべく動きたくない、お腹いっぱいのおトしゃんは、柔らかい秋の光に包まれてお昼寝です。


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カメラも紛失した。あの紺色のHHの帽子もどこかにいってしまった・・・
せっかくの登山なのに、もうわたしの写真パネルも持参しなくなった・・・

もう何もいらないのだよぉ・・・・チョコぉぉ・・・

お天気が祝福してくれているよぉ・・・
山のテッペンのお日様の熱でホカホカの岩の上で背中を温めて寝ているのが一番の幸せだよぉ・・・
と、間借りのわたしに語ってくれました♪

お家のベランダで日向ぼっこをしていても同じでなのではないのでしょうか? 
 
 
 
 
 
 
 

投稿者 choko : 19:23 | コメント (1)

2010年09月17日

瓶詰の事 ③  在庫一掃瓶詰試食会

世の中、生きていると様々な事に遭遇します。
おトしゃんの記憶の中で今でも間借をして生きているわたしにも他人事ではありません。

なんと、おトしゃんのこれからの人生に 『 瓶詰と共に生きる 』 と云う希望を思い出させてくれた 『 ヒロベエ 』 さんが、わたしとおトしゃんで当時作った瓶詰を食べに東京から来てくれたのです♪

一度の面識も無いおトしゃんが数百日前に作った正体不明の瓶詰を命を懸けてわざわざ食べに来るとは、一般常識を超越した超人なのでしょうか?
おトしゃんにとって、ここまでもの理解をしてくれる人物は100年に1人の恩人ではないのでしょうか?

そのような大人物がお見えになると云うことで、おトしゃんがWEBで調べたらなんと 『 ヒロベエ 』 さんは若い頃からユーラシア大陸へ後端技術等を調査に何度も出張され、今年2月には 『 ぼくは都会のロビンソン 』 と云う御本を書かれた研究家さんだったのです。
 
 
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先日の午後、腰の周りには本の図解のように、『七種の神器 』 を身に付けてヒロベエさんは颯爽と現れました♪

わたしは、本を押さえて写真撮影のお手伝いをしました♪

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子供の頃から幾星霜、今でもキチンとした挨拶も出来ないおトしゃんは 『 こんにちは、よく来てくれました、マァマァ 』 と略式挨拶で終わらせ、さっそく本題の瓶詰試食会です。
お客様に瓶詰のみの供応では失礼ではないかと考え 『 茹でたて枝豆+ひぇひぇ水割りビール 』 も準備しました。

 
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ヒロベエさんとおトしゃんだけの瓶詰試食会ではなにやら悲壮感も漂ってくる事を予感したおトしゃんは健全な心と体の代表格のT先生にも参加の要請をしたのです。以前から何度も瓶詰試食に付き合わされているのにも拘わらず健康100点のT先生も一緒だとひろべいさんも安心すると思ったようです♪
しかも密封後十数ヶ月経過した瓶詰の蓋はT先生の鍛え抜かれた筋力がなければ開かないからです。

この世の極楽三人組は、お互いの思想信条生活習慣趣味服装等々には一切の関心も示さず、ただ目前の瓶詰についての真摯な意見交換で盛り上がってました。

ヒロベエさんは本の表紙と同じポーズで座布団に座ってお似合いでした♪
 

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蓋が頑強に固まっているビンはT先生が、WECKのビンはヒロベエさんがそれぞれ真空の度合いを確認しながらの嬉しい開栓作業です♪

諸々の悟りの境地に達しているヒロベエさんは、おトしゃんのしつこい説明にもキチンと頷きながら一品ずつ箸をつけ神妙に試食開始です。

前菜として、先週に作った 『 瓶詰キンピラ 』 、次に先週に銭函天狗岳山頂でA先生にも召し上がって頂いた 『 身欠鰊と蕗の煮物 』 を披露してました。
キンピラについてはT先生が「辛すぎてチョト味がキツイなぁ」と味付けについての言及をしてくれました♪
その後は500日前に製造の本格的な 『 豆腐のようなものやお味噌の滓のような浮遊物が沈殿したブタ汁 』 のようなもの、『 汁の無くなったラム肉のしゃぶしゃぶだったのか湿っぽいジンギスカンだったのか分からなくなった 』 もの、『 初めスキヤキのはずが食べているうちに牛丼かもしれない 』 とおトしゃんが説明を訂正したもの、『 何のお肉だったのか分からなくなってしまった料理名も不明の瓶詰 』 等等等等等等・・・
全部、平らげてしまいました♪

長年保存食品研究をされていたヒロベエさんも、味の事でなく腐敗変質防止に力を込めた瓶詰に囲まれて感無量のようでした。

T先生は、「 変な味の瓶詰も少なからずあるけど、きっと市販のタレを入れて味付けしたので、そのタレが悪いのだ 」 と、タレの責任を強く指摘してました。

人間が出来ているヒロベエさんは、「 大丈夫・・・大丈夫 」 と、自分に言い聞かせながら、飲み込んで良いかどうかの重大な問題を問題にして味についての意見感想は差し控えてました。

「 美味しいねぇ♪」と発声していたのは、味覚も狂っているおトしゃんだけではなかったでしょうか?

それでも・・・
お味の事よりももっと重大な腐敗等による死に至るかもしれない嘔吐腹痛等の懸念を克服し乗り越えてここまで生きてきたおトしゃんの加熱殺菌技術は確かに認めてくれたような気がしました♪ 

その後、今回の試食会の総括として、もともとの料理が何だったのか分からないようでは説得力にかけると反省し、製造年月日、料理名、素材材料の明記、加熱温度時間、味の再現方法等の工夫を心掛けるとおトしゃんは表明し決意してました。

別れ際に感激したおトしゃんは「また食べに来て下さい♪」と握手してましたが、ヒロベエさんは安易な回答は控えていたような感じもあったような感じでした♪
おトしゃんは、「決して悲観しないから忌憚の無い評価を聞きたいねぇ~」 とわたしに云ってましたが、ヒロベエさんはヒトを悲しませるようなヒトでははないのではないのでしょうか?
 

・・・・そして、あの感激の出会いから数日後の今日、ヒロベエさんから、『 お腹の具合は‥、もちろん全く問題ありません。』 との、嬉しいお便りを頂きましたので安心してブログに記録しました♪

わたしは思いました、食べて死なない事も大事なことですが、皆んなで美味しくご飯を頂いてこそ、わたし達生き物は幸せなのではないのでしょうか?

 ビンの中に詰まっていたわたしとおトしゃんの暮らしていた頃の幸せの思い出はおトしゃんが胸いっぱいに吸い込んでいたようです♪

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 

投稿者 choko : 15:31 | コメント (2)

2010年09月12日

瓶詰の事 ②    わたしと瓶詰を背負って登山♪

突然ですが。一冊の本がわたしとおトしゃんとの運命を変えたのです♪
 
何時?何処で?どのように?どんな動機で購入したのかおトしゃんの記憶には全く無いと云う 『 本 』 がわたしのお家に有ったのです・・・

その本を読んでから、おトしゃんは益益おかしくなったのです・・・・
あの本がこの本なのなのです。
 
 
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この 『 保存食品開発物語  スー・シェパード様[著] 赤根洋子様[訳] 』 を読んだからこうなったのです♪
この本の云々の説明は今回は忙しいので後回しにします。

とにかく結果としてこのような、世にも珍しい 『(身欠鰊+千島笹タケノコ+蕗+油揚+蒟蒻)の特製瓶詰 』 が存在するのです♪


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おトしゃんには、『 わたし(チョコ)と瓶詰 』 と云う二つのテーマで3年前から狭い頭がいっぱいなのです。

そして、また突然ですが、その大切な 『 テーマ&ビール 』 を背負って銭函天狗岳へ登山に行くことになりました。

何時でも一緒のわたし達 『 札幌秘境探検隊 』 の若頭N北方支部長は早足走行訓練中に 『 足のお肉が離れる 』 と云う大悲運に見舞われて安静にし、養生に務めると云う事でお家待機です。
 
故に今回は、隊の大御所と云うか、大幹部と云うか、首脳と云うか、重鎮と云うか、巨頭と云うか、のS本部長とA隊長とわたしとおトしゃんの4人です♪
 
 
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S(本部長兼K株式会社会長)氏は、大昔におトしゃんが腰痛で這いつくばっていた時に・・・、色香に浮かれて舞い上がっていた時に・・・、、その他諸諸の時に・・・、『 低山登山 』 と云うまっとうなヒトとしての生き方に導いてくれた大恩人なのです♪

A(隊長兼H大学名誉教授)氏は、大学の情報工学の大博士の頃、泥んこになって建設現場で働いていて学生でもなかったおトしゃんにコンピュータを教えてくれた、大恩人なのです♪

ご両人に助けられて、おトしゃんは今まで生きてこられたのです。
二人ともわたしとおとしゃんにとっての生き仏様のような存在と云っても過言ではないのではないのでしょうか。

ぁぁそれなのに、おトしゃんは大恩人のお二人に恩を仇で返すような行動をしたのです・・・

自分が楽をしたくて大先輩大恩人のS本部長に重たい 『 瓶詰とBEER 』 を背負ってもらったのです♪
・・・・
そして頂上で、二人の大恩人に 『 身欠鰊+その他 』 の瓶詰を差し出したのです・・・

おトしゃんは・・・両親分が、瓶詰原因で・・・
お腹をこわして死んでしまったら、どのように弁明するのでしょうか?
具合が悪くなって何年も寝込んだら、どのように対峙するのでしょうか?
諸諸の責任はどうするのでしょうか?

しかし。
この狭い頂上では、逃げ場が無いのです・・・諸般の事情を察し、観念してくれたA隊長は、数秒間の瞑目の後、意を決して恐ろしい瓶詰に箸をつけました
おそらく、心の内で今生の別れの言葉が 『 南無南無 』 と、よぎったのでは無いではないでしょうか♪

この命がけの行動は有史以来、全世界で≒(4~6)人目の快挙なのです♪

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その後、嘔吐も眩暈も無く、やれやれとしていたA先生におトしゃんはなんと・・・わたし写真のダッコをお願いしたのです・・・♪
 
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あの時のように♪

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(2007年12月)

ダッコして頂いたのです♪

何年振りでしょうか♪


そして、山頂記念写真撮影儀式です。

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わたしは紙切れになってもおトしゃんと一緒なのです♪
 
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ワーィワーィうれしいなぁ♪
わたしも一緒に登山したのです・・・♪

ありがたい山頂の雲の中で、両聖人は更なる未来のそれぞれの希望をつぶやいてました♪


S本部長は傘寿になったら「マッターホルンに登る!」と・・・♪♪♪
 
ぇぇぇぇっっっっっっ~~~~  とうとう、行くところまで行ってしまうのでしょうか・・・・
 
A隊長は、古希になっても、お花を研究し「植物学者として新たな道を・・・人生を・・・」と・・・♪♪♪
 
わわわぁぁぁぁぁぁ~~~~  とうとう、成るべくして成ってしまうのでしょうか・・・・
 


どこにも行き場のないおトしゃんは、わたしと暮らしていた後向きの思い出しかなく・・・うつむいて黙してました・・・

還暦を過ぎたおトしゃんが未来を語るのは、瓶詰の事しか無いのでしょうか? 
 
ぁぁ・・・わたしが居なくても、もう少し前向きに生きられないものなのでしょうか・・・
 
わたしは、こうしてブログの中でおトしゃんと一緒に居られるだけでも幸せなのですが。

  
 
 
 

投稿者 choko : 11:23 | コメント (2)

2010年09月09日

瓶詰の事 ①

先日、『圧力鍋による食品保存法』と云う表題のメールが着たのです♪
発信者の『ヒロベイ』さんの承諾を得たので、以下に引用します。
 
 

チョコちゃんパパさま
 
 はじめまして。ヒロベイと申します。圧力鍋を使った食品保存を調べていて、こちらに辿り着きました。私も、かれこれ30年近い昔に家族の一員だった秋田犬『ミミ』との日々が、今だに忘れられません。「人には度々騙されたが、犬には一度もない」との一文を刻んだ墓石がパリ市内の動物霊園にあると知り、十数年ばかり前、探し出して参拝してきました。人の気持ちは洋の東西を問わないものとみえます。もちろん、人間も嫌いではありませんが。
 
 さて、本題に入ります。水高計付特製家庭用圧力鍋。驚きました。これはチョコちゃんでなくとも目が丸くなりますね。でも同時に、その大胆さと勇気、探究心には感服いたしました。手作り瓶詰の幸せと利点の数々も、全く同感です。
 
 横着者の私は、最初から瓶の口を密閉して、調理と高温高圧殺菌を一気にできないか、と色々試みてきました。その場合に気掛かりなのは、瓶の中の状態です。気圧と沸点には相関関係がありますが、果たして、瓶の内圧は圧力鍋内部以上に高温高圧になるのか、ならないのか。「缶詰を直火に掛けるのと同じ」と考えれば危険だし、一方で、「缶詰は大きな圧力釜で処理して殺菌されている」んだから、家庭用の圧力鍋でやっても大丈夫な気もします。(某社圧力鍋の取り説にも、この方法が堂々と載っていました)
 
 実際、広口瓶に米と水を入れて密封し、圧力鍋にかけてみると、冷却後、フタは凹んでいます。恐らく、加熱中に瓶の中が圧力鍋内部以上に高圧になり、フタを押し上げ、僅かな隙間から空気や水蒸気が抜け出したものと思われます。その証拠に、フタ裏側のツメは、全て外側に向かって開いていました。(ご飯は大変美味しく炊けていました。)
 
 では、瓶の内圧を圧力鍋内部以上に高めた原因は何か。「圧と沸点の相関関係」が効いておれば、両者に差は出ないはず。だとすれば、瓶の中に残っていた空気が犯人か? 缶詰の製造工程でも脱気してから圧力釜に掛けるというし、缶に較べてヤワなレトルトパックが同様の処理を施されながら破裂しないのも、空気ナシだからではないか。
 
 と、ここまで推理したのですが、これ以上は手詰まりです。確認の妙案も思い浮かびません。家庭では、予め瓶を脱気処理して圧力鍋に掛けることなど不可能ですし、万一、破裂して大切な圧力鍋がダメージを受けたら、私は寝込むでしょう。
 
 水高計付特製家庭用圧力鍋まで手作りして研究を重ねておいでのチョコちゃんパパさまなら、その辺りの豊富な知識をお持ちではないか。そう考えて、失礼を省みずメールを差し上げました。何かヒントを戴ければ嬉しく思います。また、もしご迷惑でしたら、このまま無視して下さるようお願いいたします。
 
 以上、長文、失礼いたしました。
(『ワンワンの会社勤務』はお休み中では?と思い、こちらにメールいたします)


ついに、わたし以外で、おトしゃんの瓶詰研究を理解してくれるヒトが現れたのです♪(万歳・万歳・万歳・)

と云う訳で、最初から一番難しい(?)自家製高真空瓶詰を作ってみて、次回に興味をつなげる魂胆です。

高真空瓶詰とは?何なのでしょう?
わたしの画像の前でひっくり返したビンがそれなのです。
 
 
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昔は、おトしゃんが『トントン、トン、、』と軽快に大根を刻む音でわたしは目覚めたものでした・・・
今日は台所から『ドスッ、モソッ、ブスッ』と重々しく不気味な音が聞こえてきました。
なんでしょう???
おトしゃんが錆び付いた切れない包丁で牛蒡と人参を切断していたのです。
前回のブログに書いたように、おトしゃんの瓶詰関連に強く興味を示した奇特な方が現れたのです♪
それではぁ♪・・・と云うことで世界初と思われる『キンピラゴボウの瓶詰』を自慢気に作り始めたのです♪

以下、貴重な製作手順の説明です。
もうこれからは、このブログを『本』にする事もないので、ページを気にしないで写真をいっぱい使って、わたしチョコが丁寧に説明します♪

おトしゃんが、このようにお料理のような事を始めるとかなり怪しい事なのですが寛容の心で写真等に対峙して下さい。
これらの写真を真面目に見ていたら今後キンピラゴボウが食べられなくなるかもしれませんので・・・


①材料と道具:
やっと切り刻んだ牛蒡と、人参と、各種の味が染みたマナ板と、切れない安全包丁です。
 
 
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②調味料:
もちろん、後日ご飯のオカズにしたりビールのおつまみにするので味付けもします。
ごま油、つゆ、豆板醤、甜麺醤、等を用意しました。
どうしてこのような調味料が必要なのかはおトしゃんには解らなく、且つ興味も無いようです。味の事は追求されたくないようです。
 
 
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③調理:
適当に調味料をまぶし、適当に炒めます。
おトしゃんは何でもテキトウで人生もテキトウです。わたしは一緒に暮らしていたので理解しています♪
当然、毎回異なった味が楽しめます♪
ここで、頂いてもいいのですが、今後の生活の為に瓶詰にするのが今回の目的なのです。
 
 
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④食品加工へ:
これで、お料理説明が終了しました。そしてこれからが、食品加工の世界なのです♪
まず、容器です。ジャムや海苔の佃煮の空瓶でもいいのですが、今回は一応見栄をはって『※WECK』と云うドイツから輸入したビンを使います♪
ここで、ビンを綺麗に湯煎して殺菌消毒するのが正しいことなのでしょうが・・・ズボラなおトしゃんは「どうせ釜で殺菌するので・・・と軽く洗っただけです。自家使用なのでこの辺も見て見ない振りをお願いします。
 
こうして、ビンに美味しい(はず・・の・・・)キンピラゴボウを詰めます。この過程を『肉詰め』と云うそうです。
ここで、写真を見て不思議に思われた方はマトモに生きてきたヒトです。通常は瓶詰や缶詰には『汁』がタプタプ入っているはずです???でも、しかし???キンピラゴボウに『汁』はありません?
本来の瓶詰であれば『※パッキングメディウム』と云って、汁や調味液をビンや缶と材料の中にたっぷり入れて、これら汁や調味液で材料に熱を伝えて高温殺菌をするそうですが・・・今回は、汁なしです??
どうして、汁なしで脱気、加熱殺菌、が可能なのでしょうか?
この辺の謎は、後で詳しく説明します♪
 
 
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⑤加工準備:
例の国宝級『水高計付特製家庭用圧力鍋』にセットします
 
 
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⑥加熱:
おトしゃんと同様、『水高計付特製家庭用圧力鍋』も汚れて傷だらけです・・・
 
  
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⑦加熱殺菌処理:
一般に加熱殺菌の効果を推定する値としてD値、Z値、F値、いろいろありますが、ここでは食品衛生法で規定されている殺菌条件として121℃4分以上で脱気加熱殺菌をします。
 
 
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⑧美味しそう(?):
出来上がった世にも珍しい『キンピラの瓶詰』です(万歳♪万歳♪万歳♪)
 
 
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⑨完成:
瓶詰作りに参考にした書籍に乗っけて完成です♪
 
 
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勿論、真空なので最初の写真のように逆さまにしてもフタは取れません♪

以下おトしゃんからの説明です。
 

今回、このように怪しげな長期保存可能自家製瓶詰関連を興味本位だけでなく実際の生活に取り入れて今後も生きていこう・・・との意欲と希望を持っておられる『ヒロベイ』さんと知りあえて、今までの取り組みを役立ててもらおうとほんのさわりをブロクに書きました。
次回の数日後に今回の『キンピラの瓶詰』を開けて食べ、味の報告もします♪。※のついた『※WICK』や『※パッキングメディウム』の事、温度測定関連など今まで実験した結果も詳しく説明します。

 

やはり、おトしゃんは自分自身を試験体にして、食品で実験しながら遊んでいたのですねぇ・・・
 
 
 
 
 

投稿者 choko : 00:18 | コメント (3)

2010年09月07日

暑中見舞の延長

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4年前の秋の写真です。
何時もベッタリと一緒だったわたしとおトしゃんでしたが、あの時何故かお互いに遠く離れてしまいました・・・

と、云うのは右の後の方からわたしを呼び止める声が微かに聞こえたので立ち止まったのです。

『誰ぁれぇ?』と振り返ったわたしに、

『チョコぉ・・、いつまでもおトしゃんと一緒には居られないのだよぉ・・・、そのうちに私のもとに帰っておいでぇぇ・・・』と。

あの声はワンワン女神様だったのでしょうか?声がかすれていたのでわたしのおばあちゃんだったのかもしれません・・・

今になって考えてみると、この写真は、いずれ、わたしとおトしゃんとが別れ別れになるのを予兆していたのですね。

そして、わたしはおトしゃんより先に、もう戻れない所にきてしまいました・・・
おトしゃんの記憶には、古い思い出しかありません。これからの人生の希望も無く、進歩発展、向上心等々にも縁がなくなりました。

最近のおトしゃんはお部屋やわたしの遺品の整理もしないで自分の人生の整理を始めだしました・・・

少しづつ身辺やらこのブログやらを綺麗に片付け、いずれわたしの方に来るつもりのようでした・・・

が、目の前には例の『瓶詰』が、そのままで佇んでいるではないですか・・・

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あの瓶詰に命が甦ってきたのでしょうか?
 
 
 

 その後、更新の無いこのブログなのに、たくさんの皆さまに訪ね来て頂き、心苦しく申し訳なく、カウンターを見るたびに感謝してました・・・
  
最近、ある方面(面識の無い方ですが)から、例の『瓶詰』についての問い合わせがありました。強く関心を持たれた方がやはり、おられたのです♪
そんな訳で、『ワンワンの会社勤務』を『ワンワンの会社勤務のようなもの(瓶詰編)』、としてのんびりと何回かに分けて書き綴ってみます。

 
 

投稿者 fugu : 14:41 | コメント (7)