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2006年04月13日

「農試公園・ツインキャップ」

 西区八軒を流れる琴似発寒川に沿って農試公園がある。この公園に隣接して公務員の団地があり、かってこの団地に住んでいたことがある。もう二十年以上も前に住んでいたところがどのようになっているか、特に農試公園がどのように変わっているのか、あるいは秘境でもあろうかと訪ねてみた。

 公務員宿舎は以前より棟が増え、より大きな団地となっていた。毎朝ランニングをした農試公園の最大の変貌は、写真の丸帽子をかぶったような建物のツインキャップの出現である。確かここら辺は原っぱだったような記憶があり、その先に税務大学校があった。この学校は現在でも健在である。

ツインキャップ外観A.jpg

 さて、件の建物は一体何であるかと中を覗いてみて、写真のように年配者が室内ゲートボール場で遊び興じている様子を目にして、脈絡もなくある話を思い出した。ワシントン・アービングの「リップ・ヴァン・ウィンクル」の寓話である。

 樵のウインクルが口やかましい奥さんから逃れるように山の中に入って行くと、不思議な老人達が九柱戯(ボーリングのような遊び)に興じている。それを見るうちに眠くなって、目を覚ますと二十年が経っていて妻も死んでしまっていた、というアメリカ版浦島太郎の物語である。二十年以上経って農試公園を訪れると、予期もしていなかったことにUFOみたいな建物中で年配者達がゲートボールをしているのに出くわした筆者は、自分がウィンクルになったような錯覚を覚えた。

 話はこれだけで、ここが秘境かというと全然秘境ではないだろう。ただ、筆者の前記の錯覚が、ここを秘境と感じさせている。

ツインキャップ内部A.jpg

投稿者 esra : 2006年04月13日 02:40

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