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2006年04月12日

「秘境探検と航空写真-その2」

 先にウッドサークルの検証(木が円形に植わっているか)において、航空写真の威力が大きい点を述べた。今回は、逆に、人工の構造物を航空写真で見つけようとする場合の弱点について述べる。

 伏見稲荷神社の境内の、並んだ鳥居を写真に撮った例をブログに載せておいた(3月19日付け)。この鳥居は航空写真でどのようにみえるか、北海道CMC㈱に依頼して伏見稲荷神社のあたりを切り出してもらった。写真に示すものがその航空写真である。この写真にはわずかに神社の本殿の赤い屋根が写っているけれど、鳥居の方は葉の茂った樹木で隠され、航空写真では見ることが出来なくなっている。鳥居が並んだ状態が写っているだろうと、最初に予想したことは見事に肩透かしである。夏に撮った航空写真では、沢山の鳥居が並んでいても、一本の鳥居さえ見つけることができない。ただし、鳥居に沿って樹木の並木があるのは確認できる。

 この例から、人工の構造物を航空写真で見るのは、木の葉が落ちた季節の方がよい。ただし、札幌のように雪の多い地方では、真冬では逆に雪により構造物が覆われてしまうことになる難点もある。季節毎の航空写真があればこれに越したことはなく、将来的にはデータが蓄積されて、そうなって行くと思われる。

 一方、地上での写真は被写体に近づくことが出来るので、秘境の検証と記録の手段としては欠かせない。これに航空写真が補強を加えることができるのは、季節や対象が人工物なのかそうでないのか、対象の大小、樹木の有る無し、などに左右されることになる。航空写真を秘境探検に生かして行くには、いろいろな例を検証して見てのノウハウの蓄積が必要であることが分かってきた。

伏見稲荷神社(詳細)2A.jpg

写真提供 北海道CMC㈱

投稿者 esra : 2006年04月12日 02:41

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