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2006年03月22日

「古河記念講堂」

 北大の中央ローンにあるクラーク博士の胸像と道路を隔てて建っている洋式の建物である。名前にあるように、古河財閥が寄付した基金で1909年に建設されている。古川財閥は1877年に足尾銅山の払い下げを受けて財を成していった。しかし、足尾銅山鉱毒事件などで世間の評判を落とし、そのため帝国大学に百万円の寄付を申し出て、そのうちの一部14万円で北大の前身の東北帝国大学農科大学にこの講堂が建設された。

 新築当時は農学部の林学講堂として使われ、その後教養部の本部に転用され、現在は文学部の研究室となっている。著者が教養部の学生であった頃はこの建物にはご厄介になっていて、教務に関することでここに来ている。この建物の中に教養部の講義室もあって、講義を受けたような記憶がある。しかし、現在は関係者以外は立ち入り禁止で、一般の人は内には入れない。もっとも、入っても教官室や研究室があるだけで、特に見るものはない。

 建物の外側な写真のようなマンサード屋根と、屋根に取り付けられている採光用のドーマがあって、北海道で初めてのフランス・ルネッサンス様式建築である。国の登録有形文化財となっており、そのプレートが玄関口に掲示されている。文化庁がつけた番号が01-0003となっているから、随分若い番号である。多分01-0001は札幌にあるに違いないので、そのうち調べて1号目の現物を見にゆこうと思っている。

古河講堂1A.jpg

 秘境探検の手前もあって、建物内に入ってみる。階段は写真にあるような年季の入ったものである。中央の半円形窓がしゃれている。しかし、この階段部分を除けば、これといって取り立てて書くほどのものは内部には見られない。確かに、誰も居ないこの建物の内は秘境と言えばいえそうである。
 
古河講堂内部A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月22日 02:25

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