« 「古河記念講堂」 | メイン | 「札幌平岸林檎園記念歌碑」 »

2006年03月23日

「NTT洞道」

 大都会の地下にはライフ・ラインが走る種々のトンネルがある。通信ケーブのためのトンネル、洞道もその一つである。NTTインフラネットの北海道支店に頼み込んでこの洞道見学となった。大都会の地下にこんな空間があるのかという意外性で、洞道は秘境に挙げてもよいと思われる。なお、一般市民でも申し込むと見学させてもらえるので、近づくことのできない秘境という訳ではない。

 用意されたヘルメットに手袋のいでたちで階段を下りて洞道の入り口に入る。見学者のために写真の説明のパネルがあって、洞道の概要の説明を受ける。パネルには、札幌市内38Kmを結ぶ「とう道」ルート、と書かれていて、もし端から端まで歩くと1日がかりとなる。到底そんな距離は歩けないので、洞道のいり口からわずかな距離を歩いてこの地下空間の雰囲気を体験する。

洞道1A.jpg

 写真に示すように、洞道は通信ケーブルが架けられた状態でどこまでも続いている。著者が学生の頃見学させてもらった時には、これらのケーブルは全部銅線を束ねたもので、太いケーブルが幾本もあったはずである。現在は、多くは光ケーブルに変わって来て、ケーブルは銅線のものに比べて格段に細くなって来ている。ただ、光ケーブルといってもそれなりの太さで、それが何本か並列で幾段もの棚の上を走っているのを見ると、ここが情報化社会の神経網が収まった空間である実感が湧く。

 光ケーブルという広帯域で高速な通信方式を可能にした技術革新は、通信技術そのものを飛躍的に発展させたことを日常生活においてもはっきりと確認できる。一方、洞道を覗くと、ケーブルを通すスペースや銅資源を節約できたという、普段には気がつかない技術革新の別の利点を目で見て確かめることができる。

洞道2A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月23日 01:28

コメント