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2006年05月05日

「2004年秋の風台風の残痕」

 北大農学部付属植物園は研究を第一にして設置されており、市民への開放は第二ということになる。それは2004年9月8日に札幌を襲った風台風の残痕を園内にそのまま残しているところからも窺える。

 写真に示すように、植物園には足掛け二年前の台風で倒れた大木の根がそのままの状態で残されている。普通の公園なら、このような見苦しい被害の痕は撤去され、人為的な修復が施されているだろう。しかし、天災に遭遇した樹木や森林がその後どのように変遷していくのかは研究テーマの一つであり、植物園では台風での倒木の一部はそのままにしておく処置が取られているとの説明を受けた。

植物園倒木1A.jpg

 北大構内の楡の大木やポプラ並木もこの台風で折れたり根こそぎ倒れたりしてすさまじい惨状を呈していたけれど、現在では人目につくところはきれいに撤去されている。構内の原始林では予算の関係で撤去が進まないのかと思っていたら、これは植物園の方針の、放置してその後どのような状態になって行くのか観察するためなのか、と見方を改めた。ただし、本当にそうなのかどうかは確かめてはいない。

 写真の倒木は約100年前に植物開園初期にアメリカから導入されたヒッコリーで、胸高直径65cm,樹高30mとデータが看板に記されている。ヒッコリーの木はスキー板の材料として有名であるとも紹介されている。4月下旬の植物園内には、写真のように、倒木がそのままに朽ち果てていこうとしているところに、水芭蕉が花をつけている。この風景は毎年見られるのだろう。死んでいくものと新しい息吹との調和を見るようである。

植物園倒木2A.jpg

 植物園には札幌で最古のライラックの株やアカナラの大木を見ることができる。ビル街に接してこのような場所があり、植物の知られざる物語を知れば、秘境と表現が適する場所なのだろう。

投稿者 esra : 2006年05月05日 04:16

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