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2006年04月07日

「秘境探検と航空写真」

 これは既に秘境100選の掲示板にも投稿しているテーマであるけれど、秘境探検と航空写真(衛星写真)との組み合わせが大きな可能性を含むと考えられるので、ウッドサークルの実例で述べておく。

 データ処理やインターネット利用のためのコンピュータが準備されているのは大前提として、現在のところ、秘境探検の必須のアイテムは地図とカメラである。地図がなければ秘境と思われる場所に行きつくことができない。また、現場の写真を撮り読者に状況を伝える必要がある。これまで地図と写真は別物という固定観念が頭にこびりついていて、両方を用意しなければと思っていた。

 福本チョコさん(君ではない)が実地で写真を撮って投稿して来たウッドサークルは立ち木が円形に配列されていると文章に書かれている。しかし、写真からだけなら本当にそうかどうか判断できない。そこで航空写真で上空から写した写真があれば、円になっているかどうか判然とする。とこのような考え方の行き着いた先として、西区に本社を構える北海道CMC株式会社に航空写真を見せてもらうためにお邪魔した。

 そこで、予期しなかった秘境に出会うことになる。「札幌100秘境選」よりは「札幌IT企業100秘境選」の方が価値のある本を作れそうであるけれど、企業はそれぞれ秘境部分(企業秘密と翻訳してもよい)で成り立っているところがあるので、探検に来ましたといったって見せてもらえるものではない。何が秘境かというと、今回のような注文に応じて、地図と写真が一体化したデータが揃っている秘境部分があるのである。

 考えてみると、地図と写真を別々に用意するのは技術が未発達であったためである。コンピュータの中に、例えば札幌の全映像が保存されていて、視点や範囲を指定することによってそれらを取り出せるなら、地図と写真を別々に用意する必要はない。記録されている映像がリアルなものであれば、現地に行く必要もない。コンピュータに向かって秘境探しを行って、画面をみながらレポートを書くとよいことになる。

 これは秘境探検のコンセプトを大きく変更するものである。実際は映像データがそこまで完備されている訳ではないので、上記のことは近未来に札幌秘境100選に取り組む人が採用する方法であろう。しかし、今回のウッドサークルを上空からみたら本当に円形になっているのを、現場でなくコンピュータ内部で検証しているので、画像処理や画像計測技術を秘境探検に利用できていることになる。

 冬雪に覆われているところは夏にはどのようになっているだろうか、神社の境内に並んだ鳥居は上空からどんな風に見えるのだろうか、巨木は上からみても大きいのだろうか、川の流れの始まりや途中暗渠で消えるところは航空写真から確かめられるのだろうか、消えてしまった建造物は過去の航空写真には写っているだろうか、等々興味のある対象物をコンピュータ内で探していくのは、このプロジェクトを開始した時には考えもしなかった。

 インターネットで解像度のよい衛星写真を検索して入手できる時代である。「航空・衛星写真による札幌100秘境選」というテーマだって実現可能の時代に来ている。本プロジェクトはそのはしりに位置しているのかも知れない。 

ウッドサークル.JPG
写真提供 北海道CMC㈱

投稿者 esra : 2006年04月07日 01:56

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