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2006年03月07日

「樺太関係資料館」

 「赤レンガ庁舎」と呼ばれている北海道庁旧本庁舎は北海道のシンボル的な建物で、札幌を訪れる観光客なら必見の場所である。いつも観光客が訪れるこの建物は、外からは秘境とは無縁の場所のように見受けられる。庁舎内は無料で入ることができて、観光情報コーナー、北海道歴史ギャラリー、文書(もんじょ)館などがあって、来館者は気の向くところを見て回るようである。

 普段は中に入って見ることもないこの北海道のシンボル的な建物に入ってみる。すると館内の2階の奥の部屋の入り口で、写真にあるように「樺太関係資料館」の文字が飛び込んで来た。室内に入ってみると、格調高い部屋に、いかにも展示棚を後で運び込んだというちぐはぐさが目立つ空間が、人気もなく広がっているのは大都会の秘境と表現してもよいだろう。

樺太関係資料館1A.jpg

 この資料館がここに造られたのは2004年と新しい。資料館の歴史は1992年に道庁の別館に「樺太関係資料室」が設置されたことに遡る。北方領土問題を身近な問題として抱える北海道に、この種の資料館があるのは当然としても、興味を持って訪れる人は少ないと見受けられる。今サハリンと呼ばれているロシア領が、かっては北緯50度を境にして南側が日本領になり「樺太」と呼ばれていた、ということを知る日本人は多くは居ないのではなかろうか。歴史の秘境部分である。

 樺太を探検した間宮林蔵の足跡なども展示されていて、じっくりと見るとそれなりに興味が湧きそうである。ただ、現在では、調べようと思えば自宅に居てインターネットで検索すると次々と関連項目が出てくるので、資料館まで足を運ぶ必要もない。インターネットの普及が各種の資料館の秘境化の進行を早めているのかも知れない。

樺太関係資料館2A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月07日 14:07

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