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2006年03月30日

「北1条地下駐車場歩道」

 この場所は税金を注ぎ込んだ地下宮殿と形容したくなる。今回の秘境探検でこの場所にはじめて足を運んで仰天した。これは地下駐車場の通路というより、北京郊外の明の十三陵の現代版を髣髴させる地下空間である。人気の無いところが陵墓の比喩を補強する。

 一ブロックの長さで、163台の駐車場の通路のために、地上の緑豊かな並木まで伐採して、ほとんど人が歩かない地下宮殿みたいな歩道を作る必要があったのだろうか。因みにこの地下駐車場建設費用を駐車台数で割ると、1台(1区間)当たり4300万円になるとの数字をインターネットで見つけた。これはもう収支を合わせる経済活動の範疇を超えている。つまりは経済効果なんか眼中にない陵墓建設と同じ発想ではなかろうか。

 地下歩道は雪国の冬の生活を快適にする上で必要な空間である点は確かだろう。お年寄りも地上のすべる道や寒さを避けて地下歩道で冬の出歩きが促進される、という説もうなずける。しかし、北1条通りには官庁や大企業のビルが並んでいるところがひっかかる。地下歩道はこれらのビルの通勤者にわずかな距離の便利さを提供しているだけではなかろうか、とさえ思えて来る。

 税金が注ぎ込まれたこの空間をもっと有効に利用する方法はないものだろうか。この豪華にデザインされた空間は画廊の意図も込められているようだ。壁にいろいろパネルや装飾がある。それなら一般に画廊として開放して料金を徴収することも考えられる。でも、この歩道画廊を利用する人が次々と現れ、さらに鑑賞する人が集まるだろうかという疑念が湧いてくるのも確かである。

地下駐車場1A.jpg
地下駐車場2A.jpg

投稿者 esra : 2006年03月30日 02:23

コメント

税金が注ぎ込まれたこの空間をもっと有効に利用する方法はないものだろうかという意見に同感です。
出来上がってからそれほど年数が経っていないと思われますが、すでに秘境化しているのが悲しいですね。
地下鉄と繋がっていないのが残念でならないし、繋がっていれば駐車場のみならず、この地下道を利用する人が増えると思います。
交通機関と連携をとらなかった(とれなかったのか知らないが)のが、秘境化した原因ではないでしょうか?
今となってはどうにもなりませんがね・・・・・。


投稿者 taka : 2006年03月30日 13:55